恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
藍華さんに仕事を割り振りながら業務時間が終わる。

「今日はこれで終わりです」

「そう。今日はいろいろと指導してくださってありがとう。聡〜」

と、片付けもしないまま、藍華さんは大上部長の席の前に向かう。

「今日からお世話になったんだし、これから聡、食事にでもどう?」

「これから仕事がありますし、同じフロアの人間もいますから」

「そんな謙遜しないでよ。久々に話したいことだってあるし」

「部長もお忙しいわけですし、藍華さん、今日はお休みになって明日も仕事お願いしますわ」

と、あおいさんが諭す。

「仕方ないわね。時間あいたら教えてね。それじゃ、お先に」

と、やっぱりふてくされたような顔つきで藍華さんは帰っていってしまった。
開きっぱなしのノートパソコンを閉じ、周りに散乱する筆記用具や資料を手に取り片付け始めた。

はあ、と軽くため息をもらすと、あおいさんと大上部長がこちらをみていた。

「仕事は出来る子なんだろうけど、基礎がなってないってことね。今回の依頼は」

と、あおいさんがぽつりとつぶやく。

「あおいの言う通りだ」

「厄介なことになったわね。萌香さん」

わたしは何も言い返せず、ただ机の上に出しっ放しのものたちをかきあつめ、片付けていた。
自分の周りも片付け、帰ろうとしていたところ、あおいさんが途中までいいかしら、と声をかけてきた。

「まったく、ウチの部署もいろんな仕事の案件があるけど、今回は難しいわね」

エレベーターホールでエレベーターを待ちながらあおいさんがつぶやく。

「あおいさん、藍華さんって一体」
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