恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
定時をすぎてわたしも時間を弄ぶのも忍びないので、『カントク』のある部屋に入る。
なかには残業中の人たちがいるが、皆一様に笑顔で挨拶をかわしてくれた。
きびきびとした態度のなかで『カントク』の班の人たちがやりがいを持って仕事をしているんだ、と思うと、今の自分の任務が生ぬるく感じて班の人たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
特別班に入り何か仕事をしようと思っても配属している統括本部でやりきっているのでやることがなかった。
掃除でもしようと、各机のテーブル周りを片付けはじめた。さすがに横尾さんや鈴井さん、戸塚さんの机の上はまっさらできれいだ。
あおいさんも机の上には会社の関係の本がたくさん並べられているけれど、きれいに整頓されている。
わたしの机はとくにこれといったものがないので、簡単に整理して、大上部長の席にいった。
さすがに触ってはまずいだろうと思われる机のなかは見ずに机の上にある広げたままの資料を片付け始めた。
資料をまとめていると、その間から何かが落ちて下の絨毯に落ちた。
「……これは」
一枚の赤茶けた古い写真。
芝生の上に若い男女が立っている。
そこにはラフなシャツとジーンズを履いた若かりし頃の大上部長と隣には満面の笑顔の早乙女さんの姿があった。
かわいらしいピンクのフリルのついたワンピースを着た藍華さんは大上部長の右肩にそっと頭をもたげている。
幸せを切り取ったという表現がしっくりくる。
やっぱり大上部長は藍華さんのことを好きだったのか。
だから大上部長は藍華さんに会ったときからずっとよそよそしくみせていたんだ。
きれいにまとめた資料の上にそっと戻し、ため息をもらしながら、『カントク』の部屋をあとにした。
なかには残業中の人たちがいるが、皆一様に笑顔で挨拶をかわしてくれた。
きびきびとした態度のなかで『カントク』の班の人たちがやりがいを持って仕事をしているんだ、と思うと、今の自分の任務が生ぬるく感じて班の人たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
特別班に入り何か仕事をしようと思っても配属している統括本部でやりきっているのでやることがなかった。
掃除でもしようと、各机のテーブル周りを片付けはじめた。さすがに横尾さんや鈴井さん、戸塚さんの机の上はまっさらできれいだ。
あおいさんも机の上には会社の関係の本がたくさん並べられているけれど、きれいに整頓されている。
わたしの机はとくにこれといったものがないので、簡単に整理して、大上部長の席にいった。
さすがに触ってはまずいだろうと思われる机のなかは見ずに机の上にある広げたままの資料を片付け始めた。
資料をまとめていると、その間から何かが落ちて下の絨毯に落ちた。
「……これは」
一枚の赤茶けた古い写真。
芝生の上に若い男女が立っている。
そこにはラフなシャツとジーンズを履いた若かりし頃の大上部長と隣には満面の笑顔の早乙女さんの姿があった。
かわいらしいピンクのフリルのついたワンピースを着た藍華さんは大上部長の右肩にそっと頭をもたげている。
幸せを切り取ったという表現がしっくりくる。
やっぱり大上部長は藍華さんのことを好きだったのか。
だから大上部長は藍華さんに会ったときからずっとよそよそしくみせていたんだ。
きれいにまとめた資料の上にそっと戻し、ため息をもらしながら、『カントク』の部屋をあとにした。