黄昏の千日紅
窓側の、前から三番目の席に座り、窓から桜の木を見下ろした。
今日は随分と風が強い。
桜吹雪で、折角可憐に咲いた花が風に乗って舞っていく。
” 春になったら ”
” 約束だよ ”
自分が滑稽に思え、自分で自分を嘲笑う。
人を信じてはいけない、期待してはいけない。
何も、望んではいけない。
裏切られた時、物凄く哀しくなるから。
立ち直れないくらいに、傷付いてしまうから。
そうやって、今まで一人で生きてきた。
これからも、そうやって生きていくのだ。
そんな風に。
そんな風に。