恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
誤解してたんだ。お互いに。


十年振りに、わだかまってた思いが、少しずつほぐれていく気がした。

いずみちゃんが目を覚ますと、牧野君は何事もなかったように、きりっとした父親の顔になった。


「もしかして、あの時私が……
実は、出かけるの好きじゃないって正直に言ったら、なんて答えてた?」

「ええっ?そうだったの?それなら、君の好きなようにしたさ。
俺は、君が楽しんでくれればどうでもよかったから」



昔の話は、それで終わりだった。


懐かしい話、もう少ししたかったけど。


牧野君は、突然、はっとしたように顔を上げた。

「えっと、その。
いずみっていう名前、偶然なんだ。
子供の名前聞いて、俺のこと、キモいって思わなかった?」

私は声を立てて笑った。

「そんなことないって」

私は、いずみちゃんの顔を眺める。

確かに、牧野君の子だ。

「キモいとは思わなかったけど。
大切な子供の名前に、私の名前を選んでくれたのかなと思った」

「いや。俺が選んだわけじゃないけど。
いい名前だから反対はしなかったよ」

「うん」

「行こうか?」

「うん」

牧野君は、家まで送ってくれた。
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