恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「ちょっと、何やってんのよ!」
だいじな彼を横取りした女は、まるで汚いものでも見るように私を睨みつける。
姉を睨み付ける女。
それは実の妹、愛美(まなみ)だった。
「汚い。やめろ」
と、いつもの遠慮ない口調で言うと、晃太の顔をウェットティッシュでふき取った。
「汚くなんかないよ。
もし、その可愛らしい唇もらったら、一生貢いであげるから、ねえ、晃太?」
私だって長年働いてきたし、晃太が大きくなるころには、もうちょっとお金持ちになってるわよとガラガラを振って誘いかける。
「ほんと、気色悪いから、止めてくれない?お姉ちゃん」
「いいじやん、たかがキスくらい。減るもんじゃないし……」
私は、視線を絡めあって見つめてる晃太に、未練たっぷりにウィンクをする。
彼は、キャッキャと奇声をあげで喜ぶ。
こんなことで喜んでくれるのは、
晃太くらいだ。
私の願いも空しく、彼は連れ去られ、離れ離れになった。
そして突如、半年前に出現した檻の中に入れられた。
彼は、年を取った伯母のことなど、すっかり忘れてしまって、ベッドの中にあった別のオモチャに夢中だ。