恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~

私の目は、大きく見開いて肺は、力いっぱい息を吸った。

力の限り声を出すために、口を開けた。

「おい、なにするんだ。やめろ」

男が焦ってるのが見えた。

私に向って何か言ってる。そんなこと言ったって無駄だ。

これは、生理的な現象で、声を出そうと思ってしてるわけじゃない。

恐怖を感じた体が、無意識に反応してるのだ。

あとは、お腹の底から声を出すだけ。


あああああああ!って叫ぶ。


「んん?」

力いっぱい声を出してるのに。


ええっ?なんで声でないの?


いくら叫んでも、喉を鳴らすような声だけで、叫び声が耳に届いてこない。



なんでよう!!



どうして声が出ないの?



私の声、出ないはずだ。



声は……

口の外に出る前に、男によって邪魔されていた。


私の口は、ぴったりと塞がれていたのだ。


男の手ではなく、唇で。
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