恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
――はい。

――いい?よく聞いて。坂下と一緒にエレベーターに乗ったらだめだよ。
あいつの部屋は、地下の駐車場まで直通だから、車に乗らざるをえなくなる。車に乗ったら、どうにもできないから。だから、頼むから、俺が行くまでそこで待ってて。

――待ってるって言っても。隠れてるのは難しいわ

――坂下、そこにいるの?

――いいえ。鍵を探しに行ったみたい。

――じゃあ、そのままトイレに隠れてろ。

――何ですって!

――いいから。言う通りにして。

――はい。


トイレは、幸いにも男女に分かれていて、個室も一つではなかった。

私はそのうちの一つに入ったまま、電話が鳴るのをじっと待った。

十数分して、電話が鳴った。

――葛城さん?

――ああ。もう大丈夫。マンションに着いたよ。ゆっくり坂下に見つからないように、部屋から出てこれるかな。

――はい。

お手洗いから出てすぐに、坂下さんに見つかった。


「いた。今までどこにいたの?かくれんぼは、もう終わりだよ」

「ちょっと、お手洗いに」

「具合でも悪いの?」

「いいえ。そういう訳じゃないです」

「気分が悪いなら、僕の寝室で少し横になるかい?」

「いいえ、大丈夫です。ご心配なく」

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