恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~

「ほ、本当にやめて下さい。む、無理です」

もうちょっと、言い方はないものかという、酷い言い方してしまった。

これ以外になんて言ったらいいのか分からなかった。

「ご、ごめん。大丈夫。不快な思いさせるつもりはなかったんだ」

葛城さんは、ようやく私の手を放してくれた。

手まで握られてると、ドキドキして心臓が飛び出してしまいそう。


心配そうな顔で、私の顔を覗き込む葛城さん。

濃いグレーのスーツを着こなした葛城さんが、涼し気な眼差しが寂しそうに見える。

そんな時でも、お水を出してくれたウェイトレスさんに、

「ありがとう」とクールに微笑みかけて、彼女を固まらせていた。


きれいな顔って、凄い迫力だなあ。

葛城さん。ウェイトレスさん瞬殺してました。

目の前でずっと彼の視線を浴びてる私は、さっきから喉が渇いて仕方がない。


「和泉?」

「はい」

彼、私を真っすぐ見て笑ってる。

彼は、私の口元にすっと手を伸ばして、唇で軽く触れてきた。


「あっ」小さな声が漏れる。

「こうして触れるのは、嫌かい」

葛城さんの笑顔に気を取られてしまった。


反射的に、手を引っ込めようとした。

けど、私の左手は彼にしっかり捕まえられている。

その手を彼は、自分の口元に持って行く。

いつの間に持っていったの?

手の甲にヒヤッとした彼の唇が触れると、背中がゾクッとした。



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