恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~

「寒かっただろう?手を貸してごらん」

「はい」

言われるままに手を差し出した。彼は、私の手を両手でふわっと握ってくれた。

「緊張してるだろう?リラックスして」今度はぎゅっと握ってくれる。

そ、そんなことされて、どうやってリラックスしろと?

「それは……」無理です。

触れられてる手が、緊張して溶けてなくなってる。

こんなきれいな人。間近に見るのだって緊張するのに。

全身の神経が、どうにかなりそうだって悲鳴を上げてる。


「と、とりあえず手を、ひ、引っ込めていいですか?」

葛城さん、目を大きくしてる。

びっくりしたのかな。

「どうして?触られるの嫌だった?」

葛城さんは、気にられなかったと勘違いしたみたいだ。

困ったように下を向いてる。

私が何か言おうとすると、
「こういうのは好きじゃなかった?」と考え込むと、

彼は、指で撫でるのを止めて、手のひらに私の手を乗せたままにした。

手の甲を撫でてもらうのは、うっとりするほど気持ちよかったけれど。

心臓の方が落ち着いてくれない。

でも、私には今の気持ちを説明する話術がない。

彼は、やり方がまずかったのかと勘違いしたのか、握っていた手を自分の手に絡めたり、余計に壊れ物のように大切に扱ってる。
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