恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


彼のそばになら、安心してすっと入って行けた。

そして、彼の腕に抱かれると安心できた。

しばらくそのままの格好でいると、落ち着いてくる。

苦手だと思ってた男性に触れることで、落ち着くなんて。

初めての感覚だった。本当に不思議。

男性には感じたことのない安心感。


葛城さんは、人目もはばからず、私が落ち着くまでずっとそうしてくれていた。

この人の事を、みんなが悪く言わないのも良く分かった。

そして、みんなが素敵な人だって褒めるのも良く分かった。

自販機の前で、震えていた私の肩を抱いていてくれた。

良くも悪くも目立った。

私たちを見て、時々コーヒーを買いに来る人が私たちの事を冷やかしていった。

それでも、葛城さんは、私に離れてくれって言わなかった。

葛城さんは、同じ課の女性から

「課長、私の時もそうしてくださいね」と声を掛けられていた。

「ああ、いいよ」

「やった」声をかけた女性は、喜んで帰っていく。


格好いいスーツに、涙でぐちゃぐちゃになった顔を押し付けようとも、彼は、全然嫌がらなかった。

「私は、嫌です。みんなに、こんなふうに葛城さんが抱きつかれるのは」


「分かってる。こんなふうにするのは君だけだよ」
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