雨を待ちわびて
「直さん…直さん。起きてください。ご飯出来ましたよ」
…これはこれは。余程よく眠っているのですね。丁度、深い眠りのタイミングなのかも知れませんね。
一緒に食べられないのは残念ですが、寝かせて起きましょう。
『今日も通常勤務ですが、帰りは少し遅くなります。終わったら直ぐ戻って来ますからご飯に行きましょう。亨』
お誕生日ですね、直さん。私とですが、今夜お祝いをしましょう。
行ってきます。
ん…ん゙、う〜ん、…亨、さ、ん、……?…?亨さん?…居ない?!
あ、いけない。…よく寝てしまった。
急いで下に降りた。
「亨さん?」
ご飯、一人分だけある。
あぁ、もう…。出勤してしまったんだ。
…起こしてくれたけど私が起きなかったんだ、はぁ。
…美味しそうな朝ご飯ですね。卵焼きとソーセージ。お味噌汁、海苔の佃煮、小松菜のお浸し。
亨さんは器用なんだな。フライパンで厚焼き玉子を作ってる。
炊飯器の代わりに土鍋でご飯を…。一度見たら、もう覚えたのですね。
えっと?…夜は出掛けるのですね。
私は…、今日は随分と楽チンな日だな。
…何か、無くなってた物あったかな。
出掛けるなら、ついでに買って。食材は…と…。
冷蔵庫にもメモがあった。
『いくつでも、好きなだけおやつに食べてください』
あ、これ、いつの間に…。え?いつの間に?今朝?
コンビニに行ったの?
シュークリーム、チーズタルト、フルーツゼリー、ラズベリーのムース、…色々一杯ある。
…遠慮無く後で頂きます。
…、あ、洗濯も終わってる。
ベランダでタオルやTシャツが揺れている。
……もしかして。私、クビ?
…。
花に水を…。鉢の下に濡れた跡がある。
…水やりも済んでいる。
私、今日やる事が何も無い。
やっぱりクビなのかな…。