雨を待ちわびて
「え?でも、…しかし」
「…ずるいです」
…。
「…コラ、…久遠亨」
「は、い…直さん?」
「一緒に寝てください」
「それは…」
「一緒に寝てください…」
…。
服を脱ぎ、いつものようにTシャツとパンツになった俺は、布団に入った。
直さんもワンピースを脱ぎ、キャミソール姿で布団に入った。
並んで横になった。
手が触れた。…指が触れる。少しずつ触れる指が増え、絡め、握る。
…。
「…俺は、貴女の心なら、守る事は出来ます」
え、何?これ以上は踏み込むなって事?
じゃあ、…さっきのあのキスは何?…。
何故したの…私が可笑しいの?
雰囲気が惚れっぽくさせているだけなの?
「久遠亨さん…、先生でしょ?
自分の心理状態を正確に診断してください」
…。
「自分の事は診断しないモノです」
天井を見続けている。
「…じゃあ、先生じゃなくて、素の久遠亨さんが自分を俯瞰で見てください」
…。
「俺は…、おそらく、先生という立場を隠れ蓑にしようとしていました。全然隠せて無かったけど」
「え?それはどういう事ですか?」
「それは、つまり…。その前に、あの…直さん?貴女はSですか?さっきから随分と俺を虐めてますけど」
…。
「私は…違います。…M気質ですよ。先生のくせに見抜けないんですか?
…もう。そんな話じゃないです」
…。
「…好きですよ。好きじゃなきゃ、プライベートで一緒に居たりしない」
…。
「どうしました?言いましたよ?貴女が答えを欲しがったのですよ?」
亨さんはSだ。虐め返しているもの…。
「俺は虐めたりしてないですよ?」
…また考えている事を読まれた。
「その人に興味があって見ていたら、考えている事は大体解るものです。だから…、何も話さなくても解る事もある…。
少し、興味が出ましたか?俺に。…惚れ始めていますか?」
ゔ〜ん…。
「…ほら、強情になった。…返事をしない。
という事は図星だ。多少は揺れているという事ですよ」
…。
「私が…欲しいですか?」
…。
「…フ。これはこれは…。随分とストレートですね。…当たり前です。
欲しくて欲しくて堪らないのに…」
…。
「一緒に寝てくださいと言ったのは、シてもいいって事ですか?
返事は無くても解りますけど」
…。
「…そうです」
「忘れられる?」
今だけ、刑事さんの事は考えずにいられるのでしょうか。
「…解らない」
「正直だな…。俺も…、忘れさせられるか解らない」
「…自信は?」
「自信はある」
「どっちのですか?」
「…フ、…忘れさせられない自信の方、かな?
だけど…、シたい。……欲しい。もうシないでなんて居られない…」
「…はい」