雨を待ちわびて

直…。深い眠りについた直に、少し長めの口づけをして俺は布団から出た。
パンツを履き、下に下りた。

カーテンを開ける。
…眩しい。
何時なんだ。…そろそろ昼前か。
ふぅ。………眠いぞ、もの凄く眠い。…フ。


まさか、こんな事になるなんてな。よかれと思って買った花が…。はぁ。
だけど、解決に繋がる一つになった。
薬を飲まずに、何とか、悪夢から解放されて行きそうな気がする。
俺、わざと柳と重なるようにしたけど、俺自身が嫌われてしまっていたらどうなんだ…。終わりだよな…。
医者のくせに俺も向こう見ずな奴だな。

…ま、結果次第で永遠の拒絶が待っていた訳だ。…はぁ、……フ。良かった、嫌われなくて。


「亨さん…」

ん?起きたのか?寝言か?

上がってみる。

「直さ、ん?」

…。

どうやら寝言のようだ。寝言で俺の名を呼んでるようなら大丈夫だな。
フッ。…それにしても。
なったばかりだけど、どう見ても30歳には見えないよな。
普段から化粧っけが無いんだけど。すっぴんだと、…何とも幼く見えてしまう…。
年齢差を感じてしまうようで、余計構いたくもあり、…悪いことをしているような気にもさせられる…。

「直…」

頬に触れる。直に罪は無い。この雰囲気、…この容姿。
実際は、抱いてみないと解らないのだが、…この身体も。
本人には自覚は無いのだろうが…。男に取っては罪な存在だな。

…俺だってその一人だ。
大人なのに無邪気で…アンバランスな魅力。堪らない程愛しくさせる…。

あってはならない事だけど、刑事さんに連れられて病院に来た時から引き付けられていた。

何とか忌ま忌ましい記憶から少しでも解放してあげたくて。…入院を勧めた。
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