雨を待ちわびて
コンコン。
「守田さ〜ん?プレゼントが届いてますよ?
可愛らしい花の、大きな花束です。
あまり関係無い人に触られたくないでしょ?届けられた状態で事務室で預かっていますから、取りに行きましょう、さあ」
「は、い」
花…?
「事務長?花、受け取りに来ましたよ。
…さあ、守田さん」
「はい」
あ、本当に花だ。
「ピンクの可愛らしい花でしょ?何て花か知ってる?」
「え?いいえ」
渡された。
「はい。これは、カランコエって言うのよ」
「カラン、…コエ?」
初めて聞く、初めて見る花…。
「そう。カランコエ。花言葉、知ってるかしら?」
首を振った。
「花も名前も知らないんだから、花言葉も知らないわよね」
「はい、知らないです」
どんな意味が…。
「フフフ。あのね……、とても素敵なのよ。花言葉は、守る、って意味があるの」
まもる?
「守田さん…」
「…先生」
「片霧さんからですよ」
あ…。
「花も素敵だけれど、片霧さんも、とても繊細で、素敵な男性だ。さあ。枯れたら可哀相だから、花瓶、用意しましょうね。
これは…大きなのがいるね。…あったかな。事務長、花瓶、あります?」
「はい、ここに。ちゃんと一緒に届いてましたよ。きめ細かい心遣いですね。
ほぉ…あの刑事さん、本当に素敵な方だ事…」
両頬に手を当ててうっとりしている。
「事務長…。事務長が惚れてはいけませんよ?…年甲斐も無く」
「ま、久遠先生。そこのところは、充分弁えてますから。トキメキだけ頂いただけです。ギャップもまた、いいわね。冷たく鋭そうな雰囲気なのに、中身はこんなに優しいなんて。はぁ…素敵…」
「事務長?」
「…フフフ、事務長さんは乙女のような人ですね」
「あら?守田さん。ような、では無く、乙女ですから。女は永遠に乙女よ?」
「あ、フフ、はい。すみません、そうですね」
「花瓶にお水を入れて行きますから、花束を持って先にお部屋に戻っていてください」
「はい、有難うございます」
片霧さん、…嬉しい。守る、って…意味の花…。
「久遠先生。守田さん、少し笑顔が出てましたね」
「はい。凄く嬉しそうですね。…良かった、いい事です」