雨を待ちわびて

コンコン。

「守田さ〜ん?プレゼントが届いてますよ?
可愛らしい花の、大きな花束です。
あまり関係無い人に触られたくないでしょ?届けられた状態で事務室で預かっていますから、取りに行きましょう、さあ」

「は、い」

花…?


「事務長?花、受け取りに来ましたよ。
…さあ、守田さん」

「はい」

あ、本当に花だ。

「ピンクの可愛らしい花でしょ?何て花か知ってる?」

「え?いいえ」

渡された。

「はい。これは、カランコエって言うのよ」

「カラン、…コエ?」

初めて聞く、初めて見る花…。

「そう。カランコエ。花言葉、知ってるかしら?」

首を振った。

「花も名前も知らないんだから、花言葉も知らないわよね」

「はい、知らないです」

どんな意味が…。

「フフフ。あのね……、とても素敵なのよ。花言葉は、守る、って意味があるの」

まもる?

「守田さん…」

「…先生」

「片霧さんからですよ」

あ…。

「花も素敵だけれど、片霧さんも、とても繊細で、素敵な男性だ。さあ。枯れたら可哀相だから、花瓶、用意しましょうね。
これは…大きなのがいるね。…あったかな。事務長、花瓶、あります?」

「はい、ここに。ちゃんと一緒に届いてましたよ。きめ細かい心遣いですね。
ほぉ…あの刑事さん、本当に素敵な方だ事…」

両頬に手を当ててうっとりしている。

「事務長…。事務長が惚れてはいけませんよ?…年甲斐も無く」

「ま、久遠先生。そこのところは、充分弁えてますから。トキメキだけ頂いただけです。ギャップもまた、いいわね。冷たく鋭そうな雰囲気なのに、中身はこんなに優しいなんて。はぁ…素敵…」

「事務長?」

「…フフフ、事務長さんは乙女のような人ですね」

「あら?守田さん。ような、では無く、乙女ですから。女は永遠に乙女よ?」

「あ、フフ、はい。すみません、そうですね」

「花瓶にお水を入れて行きますから、花束を持って先にお部屋に戻っていてください」

「はい、有難うございます」

片霧さん、…嬉しい。守る、って…意味の花…。


「久遠先生。守田さん、少し笑顔が出てましたね」

「はい。凄く嬉しそうですね。…良かった、いい事です」
< 37 / 145 >

この作品をシェア

pagetop