雨を待ちわびて

「はぁ、食べました…。何を食べるかでは無いですね。大事なのは誰と食べるかです。…美味しかった。
あ、勿論、コンビニの物も初めから充分美味しいのですよ?一人で食べるのが、まさに味気無いと思うのは、つまらないからなんですね。…会話も出来ない。
…守田さん。俺は、時間外…つまり病院にいない時は、先生ではいないようにしています。
そうしないと、…考える事が永遠終わらないから。
でも、何かあるなら、制限無く聞きますよ?
折角こうして居るのですから。
先生としてではなくても、聞きますから。何か、感じた事があったのでは無いですか?
…お茶を入れましょう。ミルクティーはお好きですか?」

「あ、私が…」

制止された。

「ここは俺の部屋です。守田さんは大事なお客様です。従って、俺がします」

「有難うございます」

「…いいですね。遠慮をしないところ」

「あ、…。ごめんなさい。また、ですね」

「それがいいんですから。謝らないでください。
はい、どうぞ」

「有難うございます。先生の部屋…グラスとカップはとても充実していますね」

「はぁ、そこ、気が付きましたか…。物に罪はありませんので、捨てられないだけです。後は想像してください。よくある事です」

「…すみません。地雷を踏んでしまいましたね」

首を振った。

「…もう、随分昔になりました。…私にも…そんな人が居ましたね…。地雷は、とうに不発になっています。というより、撤去されてもうありません、大丈夫です」

…。

「私…買い物したことがないんです、片霧さんと一緒に。
さっき迄、久遠さんと、相談したり、楽しく話しながら買い物をして、…帰りにふと思ったんです。
…別にいいんです。行きましょうって、誘う努力もしてみませんでしたし、初めから、忙しい人だから無理だって解っているから言え無いって。納得して諦めていましたから。なのに。
ただ、久遠さんとは、素直に…買い物が出来てしまったなって思って。
久遠さんとは、今日の今日じゃないですか。この前も、その日にご飯を一緒に食べて。
…何だか解らなくなって」
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