ALONE
刹那に走る緊張感。



そして俺の脳内が一つの答えを導き出す。





『こいつだ…』




と。



しかしアケミは当然ながらそれを隠す。


『あ…ごめんなさい。

いきなりお兄さんが殺害されたなんて言うものだから…

驚いてしまったの。

…大変だったのね。』






…白々しい。




『…それで


その亡くなったお兄さんが私とどう関係あるの?』




もうやめてくれ。



とんだ茶番だ。



まるで知名度だけでドラマに抜擢されたモデルの演技を見ているかのようだ。



神経を逆なでされる。



俺の怒りが表情に出る寸前



今度はシュウジが仕掛けた。




『あんたが殺ったんやろ?』



シュウジは主導権がこちらにあるかのような笑みを浮かべる。



それはあまりに突っ込み過ぎではないかと思われる質問だが…



実は絶妙なタイミングであり



かつ最高の質問。



見当外れの質問だとしてもいい。



更なる動揺を誘う。



アケミが冷静さを取り戻す前に。



好機は今。







しかし…




俺達の意に反して茶番は続く。
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