ALONE
シュウジは声を荒げた。


『どこの世界に億単位の金を貢ぐ男がおんねん!!』


『世の中には色んな人がいるのよ。


…僕ちゃん♪』



アケミはそう言いながら煙草に火をつけた。



…形勢逆転。



アケミは口を割らないどころかシュウジより上手だった。


それも頷ける。


シュウジが話したのは全て俺達の推測に過ぎない。


もしそれが当たっていたとしても当の本人が口を割らなければただの戯れ事。


ましてや10年も夜の世界にいるのであれば


嘘や言い訳に関する経験という埋め難い差は


俺達にとって越えることの不可能な壁となって目の前に立ちはだかる。


どうするシュウジ…






その時入り口で黙って立っていた黒服が


後ろからシュウジの肩を乱暴に掴む。


『それ以上のオーナーへの無礼は看過出来ません。速やかにお引取り下さい。』
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