ALONE
俺は半ばどうにでもなれと思いながら



言われるがまま100枚以上はある紙の束を掴み取ると




フロアにその紙をブン投げるようにバラ撒いた。




ヒラヒラと舞う紙はさながら雪のように舞い落ちる。



その中の一枚が




俺の足元に落ちた。




その紙に刻まれた印刷




見覚えがあった。



それは…



まさしく兄貴が残したCD−Rのデータ。



つまり要人達の数々の裏口座のリストだった。




俺が投げた全ての紙にそれと同じ物が印刷されていた。



更にシュウジは言う。



『なかなかの投げっぷりやでジン♪


さて…


そろそろ感動のフィナーレや。


紙袋に入っとる最後の物…


俺に渡せ。』



俺は再度袋を覗く。




そこに入っていたシュウジの言う最後の物…



重量感があり



かつ滑らかなフォルム。



更に高級感まで感じ取れるそれは…








一本のワインボトルだった。
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