ALONE
『なんやて!?』





『斎藤洋介。


確か…報道では歳はハタチ。


そいつ…


昨日売り上げ金奪って逃げた外国人風の男に殺されたって報道された男だ。

そうですよねヨシアキさん?』




俺の話を聞くヨシアキはただ上機嫌だった。




『ジン。お前この一件片付いたらウチの組来なよ。お前なら即幹部候補だ♪』




ヨシアキが頭を傾けながらそう言うと



円卓に並べられた椅子の頭上に吊された唯一の照明が



ヨシアキのスキンヘッドを照らし




何度見ても見慣れない龍のタトゥーが俺を睨んだ気がした。




『いや…スイマセン遠慮しときます。』




ヨシアキは一つ大きなため息をついた。




『そりゃ残念。まぁ…俺は待ってるから気が変わったら連絡して。』




シュウジが割って入った。




『ヨシアキ。勧誘はそのへんにして説明してくれへんか?なんでその殺されたはずの男がここにおるんや。』




ヨシアキは緩んだ顔を元に戻した。




『そうだね。

順を追って説明しよう。』
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