ALONE
『まずそいつがウチの事務所に駆け込んできたのは昨日お前達に電話した30分前。


聞けばLouisの店員だと言う。


何しにきたのか尋ねたら…

『かくまって欲しい』の一点張り。


事情を聞くと


コイツはある人物に相当な借金があったらしい。


元々はそいつが責任者を勤める事務所で働いてたみたいだが…


ある日突然ここじゃ借金を返しきれないと言われ


その人物の知り合いであるアケミのLouisで働くことになった。


しかし入ってみると毎日毎日長時間労働とタダ働き。


最近はいつ逃げ出すか機会を窺っていたらしい。


で、昨日の開店から間もない時間にお前達が店に乗り込み火をつけた。


警備のSPや他のスタッフは消火作業、放火犯追跡、客の誘導などに追われ…


店の金庫が手薄になった。


それをチャンスと思ったらしくそこのアホは売り上げ金200万持ってバックレた。


で、途中見つかったSPをなんとか撒いてウチの事務所に逃げ込んだんだとさ。


まぁ…銀座の方はウチのシマじゃないし、他が手出せないようなデカイ組っつったらウチを含めても都内じゃ数えるほどしかない。


それで1番近いウチに逃げ込んできたんだんだそうだ。』
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