秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

今日、こうして過去をたどったら、もしかしたらますます惨めになるかもしれないと心配していた。
でも、そんな心配、彼が吹き飛ばしてくれた。

きちんと記憶の上書きをして、私は前に進める。


「あそこです。あの店のいちごタルトがすごく好きで」


パティスリードショコラティエという店のいちごタルトは、もうずっと昔からのファン。
でもあの人と別れてから一度も食べていない。
あんなに好きだったのに。

でも、今日を境に、また来られる気がした。


「伊吹さん、ケーキ食べます?」


彼にケーキは似合わないと思ったけど……。


「結構好きだ」

「そう、なんですか?」


そういえば、アイスもパクパク食べていた。
本当に甘いものが好きらしい。


「今、似合わないと思っただろ」


メニューを覗きながらふたりで話していると、相変わらず鋭い突っ込み。
でも、なんだかとても幸せな気分。
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