秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

今日の私は、彼が買ってくれたスーツ姿。
きちんと仕事をして充実した生活を送っていると、元彼に見せたい。

逃した魚は大きかったと後悔させるなんて、無理かもしれない。
でも私は、前を向いて進んでいるのだと、胸を張りたい。


「広瀬、行くぞ」

「はい」


社長は午前中、休日出勤の代休を取っていて、ふたりで出かけても問題はない。
私たちは、聡さんと共に会社を出た。

私は少し緊張していた。久しぶりの宮城不動産。
今の職場より長く勤めていたけれど、もうずっと昔のような気がしている。


宮城不動産に到着すると、玄関で新しい秘書が待ち構えていた。
私と引継ぎした秘書だ。


「いらっしゃいませ。こちらへ」


車中では柔らかな笑みを見せていた聡さんは、途端にキリリと仕事の顔。
この切り替え、さすがだ。

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