秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

傘をさしていても、横殴りの風が私に雪を降り積もらせる。


「お待たせしました」


予定より十分早く店を開けてくれたのは、この寒さのせいだろう。
やっとのことで行列が動き、店内に入ることができた。

手袋を外したけれど手が真っ赤。
感覚もない。


そして飛ぶように売れていく黒豆塩大福。
皆、やはりこれが目的だった。


ひとり三箱までと限定されている、この商品は、三箱買いの人がほとんど。
そしてやっと私の番。でも……。


「黒豆塩大福は、売り切れとなりました」


店員の声が無性にも響き渡り、がっくりと肩を落とした。
私の前の客が三箱買って、終了になってしまったらしい。

あぁぁっ、一箱でよかったのに……。
高畑さんに叱られる。

私は仕方なく二番人気のいちご大福を購入して、会社に走った。
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