秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
彼女の『ごめんなさい』が"呼びとめて"なのか、"紳を奪って"なのかはわからなかった。
でも、苦しげな顔をした奈津が、自分のしたことの残酷さに気づいてくれていると信じたい。
「広瀬さん、お友達? 話してきてもいいよ?」
聡さんまで気を遣ってくれたけど、私は首を振った。
「いえ。申し訳ありませんでした。次の仕事が迫っておりますので」
聡さんにそう言うと、伊吹さんがほんの少し微笑んでくれた気がした。
「そう、だね」
三人で車に乗り込むと、聡さんがすぐに口を開く。
「どこかに行ってしまったと思ったら……ナイスな機転だったよ、広瀬さん」
「いえ。ありがとうございます」
「優秀な秘書がふたりもいてくれて心強い。もうひとりは、もう少し優しいと助かるんだけど……」