秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「イエスか、ノーかだ」


彼はそう言いながら、私の背中に回した手に力を込めた。
えっ、二択なの!?


「あっ、あのっ……」


どうしよう。
私の気持ちは、間違いなく彼に向いている。

でも、彼ほどの人の彼女が務まるかと考えると、尻込みしてしまう。


「はっきりしろ。どっちか選ぶだけだろ」


選ぶだけって!
それに、これは脅しじゃ?

それでも言えないでいると、彼は私を更に強く抱きしめ「どっちだ」と急かす。


「ノ、ノーです」


思わず勢いでそう言ってしまった。
だって、『イエス』と言うには早すぎる気がしたからだ。
まだ彼のことをよく知らない。


「まったく……」


彼は盛大な溜息をつき、肩を落とした。
もしかして、相当落ち込んでたりする?


「私……伊吹さんが期待しているような女じゃないと思います」

「誰が期待していると言った」


たしかに言われてないけど……。

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