秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「す、すみません。黒豆塩大福が目の前でなくなってしまいました」
整った顔立ちなのに切れ長の目はいつも鋭く、ひとたびその目に睨まれると、ヘビに睨まれた蛙のように動けなくなってしまう。
”お客様には常に最上のおもてなしを”と常に口にする高畑さんは、こうしたミスを許さない。
高畑さんが念入りにリサーチをして得意先の社長の好物を調べたのに、その情報を無駄にしてしまった。
「本当にすみません!」
叱られるとうつむくと、「何時から並んだ」と言われ、ビクッと震える。
「七時、です」
「寒かっただろ。お疲れだった」
「えっ?」
罵声を頂戴するはずだったのに、思わぬ言葉をかけられ、拍子抜け。
「今日は社長に同行する。聡さんの方のフォローは、広瀬に任せる」
「承知しました」