秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「広瀬」
伊吹さんの鋭い声が聞こえた。
「はい」
「俺はアポイントの断りの連絡を入れなければならない。聡さんについて出られるか?」
「はい!」
伊吹さんのことだから、仕事の優先順位はもうすでにつけてあるはず。
おそらく聡さんの方のスケジュールも動かさなくてはならない。
そうすると、いくつもの関係先に謝罪の電話を入れなくてはならない。
私たちの仕事で一番難しいのは謝ることだと常々高畑さんは言っている。
ここに来たばかりのとき、秘書の対応ひとつでこの先の取引きがうまくいかなくなることもあると、懇々と諭された。
だから、聡さんについて出る方ができるかもしれないと思われたに違いない。
「聡さん、よろしいでしょうか?」
高畑さんは聡さんに判断を仰ぐ。