秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「もちろんだよ。よろしくね。広瀬さん」
「はい」
私がひとりで聡さんに同行するのは初めてだ。
「最初の予定だけでいい。その後は俺がつく」
「かしこまりました」
すぐに最初に行く得意先の情報を渡され、目を通すように言われてデスクに戻る。
「不動産の仕事だ……」
本当なら社長が訪問することになっていたのは、宮城不動産にいた頃に取引のあった商社の社長のところだった。
ここのことならわかるかも。
伊吹さんもそれを見越して私に指示を出したのかもしれない。
「広瀬、もう出ろ」
「わかりました」
秘書室に戻ってきた伊吹さんは私に指示を出す。
どうやらひと通りの調整は終わったらしい。
バッグに資料を突っ込んで立ち上がると、彼が隣にやってきた。