秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「もちろんだよ。よろしくね。広瀬さん」

「はい」


私がひとりで聡さんに同行するのは初めてだ。


「最初の予定だけでいい。その後は俺がつく」

「かしこまりました」


すぐに最初に行く得意先の情報を渡され、目を通すように言われてデスクに戻る。


「不動産の仕事だ……」


本当なら社長が訪問することになっていたのは、宮城不動産にいた頃に取引のあった商社の社長のところだった。
ここのことならわかるかも。

伊吹さんもそれを見越して私に指示を出したのかもしれない。


「広瀬、もう出ろ」

「わかりました」


秘書室に戻ってきた伊吹さんは私に指示を出す。
どうやらひと通りの調整は終わったらしい。

バッグに資料を突っ込んで立ち上がると、彼が隣にやってきた。
< 166 / 370 >

この作品をシェア

pagetop