秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「遅いぞ」


伊吹さんは公園のベンチに座っていた。


「ごめんなさい」


一応走ってきたものの、待たせてしまった。


「まぁ、いい。待つ辛さもわかったしな」

「待つ辛さ?」

「あぁ、お前が毎日俺を待っている間、こんな気持ちなんだなと思って」


どんな気持ち?
辛さ、というか、たしかに寂しいと感じることはあるけど、伊吹さんもそう思ってくれたということ?


「腹減った。飯に行こう」

「はい」


昼は私も野菜ジュースで済ませたから、お腹はペコペコ。


「でもあのジュースは、空腹に染み渡った」

「あっ、また買ってきます」

「いや、他のものにしてくれ」


苦笑する彼は、やっぱりちょっと苦手だったみたい。
でも、仕事中とは違うリラックスした顔を見せてくれるから、私まで心が緩んでいく。
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