秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
彼が連れていってくれたのは中華だった。
いつも会食や接待のためにおいしい店を探しているから、彼は穴場の店までよく知っている。
「いつも肉ばかりだけど、野菜も食べるよ」と言う彼は、青梗菜の炒め物を頼んでいる。
「そうですよ。ちゃんと野菜も食べないと。伊吹さんの体が心配です」
「気をつけるよ。でも、悠里の方が心配なんだけど」
朝、眠れなかったと言ったことを覚えているんだ。
至近距離でじっと見つめられると、固まってしまう。
「私、は……。いえ、なんでもないですから」
もう一度、彼に助けてもらっている。
後は自分でなんとかしなくちゃ。
「好きな女が眠れないほど悩んでるのに、放っておけると思ってるのか?」
彼の言葉は威圧的だけど、優しい。
「……いえ」
視線を落として返事をすると、彼の手が伸びてきて、私の顔をあげさせた。