秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「逃した魚が大きすぎて、惜しくなったんだな」
紳のことだ。
「そんなことはないと思います」
宮城不動産にいたころからなにひとつ変わっていないはずだから。
「そう思ってるのは自分だけだぞ? 仕事もどんどん吸収して成長しているし、聡さんまで最近きれいになったと言ってる」
「えっ!」
聡さんがそんなことを?
「まぁ、俺がきれいにしたんだけどな」
人は恋をするときれいになると言うけれど、その効果?
でも、自信満々の彼がおかしい。
「ほら、青梗菜も食え」
「これは伊吹さんのです」
結局野菜を押し付けようとしている彼は、意外と子供っぽいところもあるようだ。
「わかったよ。でもお前は俺のものだ」
彼が平然とした顔でそんなことを口にするから、一瞬、箸が止まってしまった。
でも紳には渡さないと宣言してくれた気がして、うれしかった。