秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「もうこのまま俺の家に来い」


店を出ると伊吹さんが突然そう言いだした。


「えっ?」

「アイツに触れさせたくない」


たしかに、紳は私の家も知っているし、駅だけでなく家にまで押しかけてくるかもしれない。
この間は振り切れたけど、今度はどうかわからない。


「でも……」

「どうせ近々引っ越しするつもりだったんだ。少し早くなっただけだ」


たしかに引っ越しをしろと言われてはいたけれど、どこか他人事だったというか、実感が湧かなかったというか……。

だから曖昧にごまかして、先延ばしにできないかと考えていた。



とはいえ……彼はもう紳に会いたくないという私の気持ちを察してくれたのだと思う。
そして私も、つい最近まで戸惑いしかなかったのに、今は伊吹さんと一緒にいたい。
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