秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「あれは奈津が……」
「女のせいにするのか。小さい男だな」
伊吹さんの低い声が、私の鼓膜を揺らす。
「紳はもう一度私のことを好きだと思ってくれたかもしれないけど、それは私が伊吹さんと一緒にいて幸せだからだよ。幸せな私を、きっと紳は好きになったんだよ」
勝手に涙が溢れてくる。
紳と幸せだった日もたしかにあった。
でも、今は伊吹さんと一緒にいたい。
「奈津と別れてきた俺は、どうなるんだ」
「えっ?」
別れた? あれからプライベートでは会っていないと、言っていたよね。
「そんなこと、悠里に関係ない。女と別れれば、悠里が手に入るとでも思ったのか?」
伊吹さんは鋭い目で紳を睨みつける。
「悠里。お前、俺のこと好きだっただろ? 何度もキスしてってせがんだし、情熱的に抱き合ったじゃないか」