秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

食べきれないことはわかっているけど、ケーキまで準備してくれていたことに心が震える。
あんなに忙しくしていたのに、私のために予約してくれたんだ。


「もう、泣くな」

「でも……」


やっぱりちょっと酔っているのかもしれない。
感情のコントロールがうまくできない。


「お前を好きになってよかった」


「えっ?」

「悠里と一緒にいると、俺まで心が洗われる。うれしいときには純粋に喜び、涙まで流して……。そういう素直さを、俺はずっと昔に置いてきてた」


会社ではいつもポーカーフェイスの彼は、たしかに感情を表に出さない人だ。
だけど一緒に暮らしてみて、本当は温かい人だと知った。


「そんなことないです。伊吹さんは素敵な人です。私、伊吹さんのそばにいられて、すごく幸せです」
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