秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「ねぇ、もうちょっと付き合いなさいよ。今日、泊めて?」


『泊めて』って……。
途端に心臓が暴れ出し、言うことを聞かなくなった。

しかも、『もうちょっと』ということは……梶さん?

一旦別れた様子だけど、家まで知っているって……やっぱり単なる取引先の秘書なだけじゃない。


「開けなさいよぉ」


酔った様子の彼女は、大きな声で叫び続ける。

これでは近所迷惑になってしまうと思った私は、思い切って玄関を開けた。
すると……。


「あなた、誰?」


伊吹さんだと思っていたのだろう。
私が顔を出すと、彼女は途端に声のトーンを下げた。


「あの……伊吹さんはまだ帰ってません」


質問には答えずそう言うと「へぇ、女の趣味、変わったのね」と全身を舐められるように見られ、思わず顔を伏せる。
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