秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
それも、失恋、ならまだしも、遊ばれただけなのなら、なおさら……。
伊吹さんのことを信じたいのに、梶さんの言葉が強烈すぎて簡単にはいかない。
それに、寝不足のせいか頭が痛い。
ポーチに入っていた鎮痛剤を飲み、なんとか仕事に戻った。
伊吹さんは夕方になり一度戻ってきたけれど、すぐにフロアを出ていってしまった。
忙しく走り回っている彼とは、もちろんプライベートな話なんてできる時間はない。
だけど今はそれがありがたかった。
彼に別れを告げられるのは、辛い。
かといって、自分から別れるとも言えない。
そのくらい、彼のことが好きになってしまったのだと、改めて実感した。
十八時ごろになって彼はようやく秘書室に戻ってきた。
「広瀬、十八時半に車を手配しろ」
「はい」