秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「誕生日、だったのにな……」
明日は私の誕生日。
ひと足早く祝ってくれた彼とやっと結ばれたばかりなのに、まさか彼の家を出ることになるなんて、思ってもいなかった。
彼にもらったダイヤのネックレスは、今日はつける勇気がなくてバッグに大切にしまってある。
あの時『毎年、俺に祝わせてほしい』と言われて、どれだけうれしかったか……。
そんなことを思い出すと、どうしても涙がこぼれてしまう。
「伊吹、さん……」
彼の名前を口にすると、余計に辛さが増してくる。
今度こそ、幸せになれると思ったのに……。
そんなことを考えていると、昨日寝ていないせいか、まぶたが降りてきた。
――トントン。
ドアがノックされているのに気づきハッと時計を見ると、午前0時を回っている。
誰?と一瞬思ったけれど……。