秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「あっ、はい」


あぁ、どうしよう。
この調子ではおかしくなりそう……。

なんとか気持ちを落ち着かせ、アイスクリームとスプーンを持って戻ると、彼は口を開いた。


「悠里はここ」

「えっ!」


あっという間に手を引かれ、彼の隣に座らさせる。


「俺、ベタベタするの好きだから」


それはそれは意外だ。
仕事のときの彼は、必要なこと以外話しかけてくるなという雰囲気なのに。


「チョコも食うか?」


『食べる』なんて一言も言ってないのに、彼はスプーンでチョコアイスをすくうと私の口に放り込んだ。


「冷たっ」

「アイスなんだから、当たり前だろ」


クスクス笑う彼が新鮮すぎて、頭が混乱中。
会社で笑った姿なんて見たことがない。


「そっちもくれ」

「あっ、はい」


ふたを取って彼に差し出したけれど、とびきり不機嫌顔だ。
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