秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
高畑さんの大きな拳が元彼をふっ飛ばすところを想像して、背筋に悪寒が走る。
ケガくらいで済みそうにない。
「心配するな。俺がお前を守る」
どうやって?
どう考えても線の細かった元彼が、高畑さんにボコボコにされているところしか頭に浮かばない。
「高畑さん、は、犯罪ですから」
「お前、なに考えてるんだ?」
「あれ……」
私の妄想は、違ったらしい。
「まぁ、いい。悠里の傷は俺が癒やしてやる。それと……『高畑さん』じゃないよな」
「あ……」
急に呼び方を変えろと言われても、難しい。
それに、私はあの告白を受け入れるとは言ってない。
「練習が必要なようだな」
彼はそう言うと、私の頬に手を伸ばし、涙を拭う。
「ほら、いいぞ」
『いい』と言われても、そんなに直視されたら余計に言えない。