笹に願いを
ハッという感じで目が覚めたのは、夢を見ていたからかもしれない。
どんな夢だったのかは全然覚えてないけど、夢を見ていたことは確かだ。
そこは確信してると言いきれるくらい覚えてる。
何がどうって、説明はできないんだけど・・・夢見たことを体が覚えてるような、そんな感じ。

眠ってる間に手術をしてもらって、目が覚めたらもう終わってるのは、とてもありがたいことだとしみじみ思う。
これも現代医学の進歩の一つ、なのかな。
たぶん、石器時代の人たちは、「麻酔薬投与」なんて技術は持ってなかっただろうから・・「手術」だって、存在してなかったんじゃないかな。
それにガンという病気も、何百年、何千年という昔には、たぶんなかったんじゃないかな。

目が覚めてからも色々なチェックを受けた私は、オーケーが出たのだろう。
しばらくしてから、ようやく病室へ戻ることができた。

手術、終わったんだ。

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