【完】素直じゃないね。
「あのね、今日の放課後カラオケに行くんだけど、高嶺くんにも来てほしくて!
一緒に行くクラスメイトもみんな、高嶺くんに来てほしいって言ってて!
来てくれないかなぁ?」
……え? カラオケ……?
悠月が女子たちと……?
こっちにまで聞こえてきた高い声に、あたしの体が固まる。
やだ。 そんなの、やだ。
行ってほしくない。
でも、いくら心の中でそう思ったって、あの輪の中に飛び込んでなんていけない。
あたしの彼氏だって、そんなこと言う勇気ない。
悠月は、あんな可愛い子に言い寄られて、どう思うの……?
……あぁ、だめだ。
こんなの分かってたはずなのに、どんどん卑屈になっていく。
黒くて汚い感情で、心の中がぐちゃぐちゃになってしまうみたい。
あたしはぎゅっと目をつむり、聞こえてくる音も見える映像も、全部シャットアウトした。