【完】素直じゃないね。
あっという間に悠月の腕の中に収まってしまう、あたしの体。
「……っ」
「あー、やられた。不意打ちすぎ。
今自分がどんな顔してんのか、分かってんの?
その顔、反則だから」
拗ねたような悠月の声が、耳元で奏でられる。
「悠、月……」
心臓がバクバクと音を立ててうるさい。
今心臓が止まったら、間違いなく悠月のせいだ。
やがて体を離すと、あたしの肩に手を置き瞳を覗き込んでくる悠月。
「それに、他の女とカラオケなんか行くわけねぇじゃん」
「え?」
「最初っから断ってるし」
ど、どういうこと?
悠月の言葉の意味を、うまく呑み込めない。