続、まだ恋は始まらない
でも、背後で立ち上がる音が聞こえた瞬間、肉食獣に狙われた獲物のような恐怖が這い上がって来た。

あと、もう少し、後もう少し!

そう念じていると、コツコツとこっちにやってくる足音が聞こえてきた!

ほ、ホラー映画を髣髴(ほうふつ)させる恐怖感に心拍数が跳ね上がる。

も、もう心臓が持たないって思った時、何とか自動ドアまで辿りついた。

「あ!」

時計を見て何かを思い出して慌てているような演技をして、脱兎の如く駆け出した。

「え?」

背後で驚く声が聞こえたけど、振り返るつもりはさらさら無いし、速度は更に加速する。
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