旦那中毒
大事な存在
 一目見て、結ばれるまでには、そんなに時間はかからなかった。
私からの猛アタックにより、何とか付き合う事が出来た。
ハルキも同じくらい、好きになって欲しいとは思わなかったが、この人になら、傷つけられてもいいと思えるくらい、何故か凄くいとおしかった。
と言うのも、ハルキは愛情を知らずに育ってきたのだ。
親の愛情を知らない。
愛される喜びも、愛する喜びも知らない少年時代を過ごした。
だから、非行にも走った。
暴走行為はもちろん、簡単に刃物で人を傷付けたりもした。
何度も何度も警察のお世話にもなった。
そんなハルキに私が愛情を教えたかった。

ハルキは、照れ屋で直接愛情が表現出来るタイプではなかったが、なんとなく、愛してくれているのは伝わった。

付き合って1年で、子供が出来て直ぐに結婚する事になった。
ハルキとの結婚に猛反対していた私の両親も孫が出来た事で、賛成せざるを得なくなったのは言うまでもない。

第1子が冬に生まれ、とんとん拍子に2年後には第2子が誕生した。
順風満帆で、誰からも幸せに見えたに違いない。
< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop