女の秘密 -序章-
『まさか、薬を盛られるなんて』
体に力が入らず、壁を伝って座り込んでしまう。
体が火照って少しの刺激でも反応してしまう。
『もう、動けないし、ここで薬が抜けるまでジッとしているしかないわね』
もう数メートル歩けば、人通りのある道に出られるが、体が言う事をきかない。
僅かに頭を上げると、明かりが差し込んでいて、その向こうを人が歩いている。
光の世界と闇の世界。
昔は、決して交わらないのでは無いかと思っていた。