結婚相手の条件
「これは、酷い」
そう言って井内さんが手にしているのは
白い紙で梱包されていた、写真立て
見覚えがあった
一緒に暮らしていた頃
新しくできたショッピングモールの中にある雑貨屋さんで私が一目惚れした
写真なんて部屋に飾りたくない、って言っていた秀人
しかたないなぁ、と
これだけは許してくれた
その写真たてに飾られている写真
秀人の家族と一緒に行った旅行
その時に撮ってもらったツーショット写真
その写真には、はにかんだ笑顔の秀人と、嬉しそうに笑う私が写っていたはず
だが、私の姿は無残にも
刃物で傷つけられていて
心臓部分であるところは
特にひどく切り裂かれていた
酷いってもんじゃない
私は狙われている
そう思ったら一人で入る勇気もなく
無意識に井内さんに連絡を入れていた