Amour éternel à vous
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彼・・・木村さんが連れてきてくれたのは、オシャレなイタリアンのお店だった。
内装も然る事ならば、料理の盛り付けもすごくオシャレで味も最高だった。
食事を終え外に出る頃には、9時を回るくらいの時刻になっていた。
「木村さん、ごちそうさまでした。あの、いつか必ずお礼させてください」
「そんなの気にしなくていいのに。ただご飯奢っただけなんだからさ?」
「いえ、そういうわけにはいきません!」
「んー、じゃあさその“木村さん”ってのやめて名前で呼ばない?それがお礼でいいよ」
「え、名前でですか・・?」
ふわりとした笑顔を浮かべながらそんな提案をする彼に、私は2,3度瞬きを繰り返す。
そんなことでいいの・・・?
この人欲ってないのかな・・・
「えっと・・・悠真さん、でいいですか?」
「んー、さんはいらないんだけど・・・まあ、今はそれでもいいや」
そう言ってふわりと微笑む彼に、私も自然に笑みを返していた。
「・・・よかった、少しは気分転換になったみたいだね」