政略結婚ですが愛されています
途中、足に激痛が走った私のくぐもった声を聞いて、駅の脇にあるベンチに私を座らせると、私の足からハイヒールを脱がせた。
「腫れそうだな。すぐに冷やしたほうがいい」
そう言って、神田課長は近くのコンビニで氷とタオルを買ってきてくれ、捻挫したに違いない私の足を冷やしてくれた。
「捻挫した時は、まずはちゃんと冷やさないとダメだ」
「あ、はい……すみません」
ベンチに座る私の足元に膝をつき、氷を包んだタオルで丁寧に足を冷やしてくれる神田課長の伏し目がちな表情に、私はしばらく見とれていた。
「今日はこのまま家に帰って足を休ませたほうがいい。総務部の上司に電話して、そう伝えておけ。俺は小笹を送ったあとで出社するから、葉月常務にも電話してそう言っておいてくれ。葉月常務の担当だから、大丈夫だろ?」
「あ、あの、私、平気です。ちゃんと会社に行きます」
「ダメだ。ちゃんと安静にして冷やしておかないとかなり腫れるぞ。入社早々休むのは気が進まないだろうけど、このまま出社しても痛みが増して、仕事にならないぞ」
「でも……」