政略結婚ですが愛されています
反論する私に神田課長の厳しい視線が向けられ、おまけに神田課長に言われたとおり足の痛みもひどくなり、しぶしぶ休むことにした。
総務部に連絡を入れたあと、葉月常務にも電話をすると《だったら神田にお姫様抱っこでもしてもらって帰りなさい。男前の顔を間近で見られる機会は滅多にないぞ》と、スマホの向こう側で笑っていた。
「お姫様抱っこって……」
スマホをスピーカーモードにしていたせいで、神田課長にも常務の言葉はしっかり届いていた。
すると、神田課長は呆然としている私にかまうことなく立ち上がった。
「能天気な葉月常務が言いそうなことだけど、上司の指示には従わないとな」
私をからかうように言うと、常務に言われたとおり、私を抱き上げた。