残念な姉
「可愛くねぇなー」

独り言にしては大きすぎる声量

「ふん……」

何を期待し
何を求めてそんな言葉を吐いてんだか

「お前ってさ…好きなヤツとかいんの?」

真面目な顔つき
正面に私を捉えて
真っ直ぐ純一郎は私を見つめてくる


「いない…ってか私…」
「おはよう!女神様!」

純一郎ではない
別の声が私を呼ぶ
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